2016年3月27日日曜日

2016年 史都萩を愛する会 第59回例会(福栄・現地講習会)5,439歩


2016年3月13日(日)曇り、20名参加

案内者:現地の皆様、史都萩を愛する会理事
 
 
 
史都萩を愛する会 第59回例会(福栄・現地研修会)
大板山たたら遺跡、西見山八幡宮、長久寺、ハピネスふくえ、上野山八幡宮、仏光寺、福井市
 
 
 
 「福栄おたからマップ」を手引書に歴史散策。ボランティアさんの大板山たたら製鉄遺跡案内、たたら師寄進石段、子供を抱いた観音像は聖母マリアを想像、絵巻「先大津阿川村砂鉄洗取之図」、八幡信仰・縁起絵巻、金剛力士像、村の鍛冶屋さん、木喰仏など貴重な史料を沢山拝見しました。心配された雨も降らず、美味しい閲兵餅もお土産に出来て充実した一日を過ごさせて頂き、大変ありがとうございました。
 参考:萩まちじゅう博物館HP、下段の「福栄おたからマップ」萩まち歩きマップPDFなどの萩情報。
     http://machihaku.city.hagi.lg.jp/db/
 
世界遺産、大板山たたら製鉄遺跡

福栄おたからマップ(表)

福栄おたからマップ(ウラ)



*現地研修会行程(マイクロバス移動)。
 萩市役所駐車場9:00~福井・掘割交差点9:14~①大板山たたら遺構9:33/10/33~②西見山八幡宮10:40/59~③長久寺11:04/32~④道の駅ハピネス福栄(昼食)12:00/59~⑤上野山八幡宮13:09~⑥仏光寺14:11/43~⑦福井市散策・白神鍛冶工場15:55/15:12~願行寺15:14~萩市役所駐車場16:20。



①大板山たたら製鉄遺構。
 江戸時代に石州の商人が3回たたら製鉄を行いました。地元石州には砂鉄はあるが製鉄に必要な木炭(木材)が無く、鉱石を石州から船で奈古湊(現、山口県阿武町奈古)まで、陸路を大板山に運び込み。森林資源の豊かな萩藩で製鉄しましたが、木材の復旧に時間を要し3回の製鉄が限度であったと思いわれます。地元ボランティアさん、室内・現場説明ありがとう御座いました。
詳しくは、萩市HPで検索して頂けると幸せます。
大板山たたら製鉄遺跡パンフレット

・室内説明。
 パネル・配布資料とTVモニターによる説明。TVモニターは小さく前列の人は良く観えました、絵図「先大津阿川村砂鉄洗取之図:さきおおつ あがわむら さてつ あらいとりのず」現在は山口県下関市豊北町阿川、たたら製鉄類似例で詳しく説明頂き良く分りました。
詳しくは。 山口県阿川の製鉄 で検索される事をおすすめします。
ボッンティアさんの説明は良いが、右下のTVモノターが小さく観えぬくい

絵巻「先大津阿川村砂鉄洗取之図」TVモニター説明

同上、製鉄炉

同上、銑鉄

・現場説明。
 パンフレットを見ながら元小屋・給水施設・高殿など見学、高殿(製鉄炉など)は透明板を利用した製鉄炉の輪郭(下2番目写真)を見ることが出来ました。松の根元に鉄くずらしき物が在り見学者同志で大盛りあがり、山の口川上流の運搬路は発掘中でこれからが楽しみです。
 
ボランティアさん現場説明、奥が砂鉄荷揚げの奈古湊方面の道

透明板を利用した、製鉄炉の輪郭

製鉄くず?

たたろ製鉄遺構の全景、画面奥の運搬路は発掘待ち



②西見山八幡宮。
 たたら師寄進の石段(標柱)、鍋山(なべやま)石の少し赤味の灯籠や鳥居あり。鍋山石の牛の像は地元石工の大庭卵一作、氏の作品は萩市民のステータスで萩オーブンガーデンで見る事が出来るそうです。

西見山八幡宮

・鍋山石の石造と鍋山。
 萩ジオパーク構想は、ご当地の鍋山・溶岩ドーム、萩・椿まつりの笠山、渡り鳥の見島などの「阿武火山群」。平成28年の日本ジオパーク認定をめざし、昨年の美祢市秋吉台認定に続けと健闘中。
近くの鍋山の石を加工。石段、灯籠、鳥居

同上を寄進した、石見銀山たたら師の標柱

萩市ジオパーク構想の看板

鍋山は阿武火山群唯一の溶岩ドーム、寺社などの石材を産出

・牛の像など。
 紫福出身の石工・大庭卯一、萩城下町にも沢山の秀作が在ります。
左上:本殿   右下:人に隠れて牛の像

牛の像は石工・大庭卵一氏作、左後足に一物あり牡です

作者不詳、石灯籠の鯱鉾が面白い



③長久寺。
 萩市福栄(旧福栄村)は福川村と紫福村が合併。紫福(しぶき)にはキリシタン関係史料が多く残る、鉄心寺から移された石仏にマリア様や十字などが観られました。

長久寺

・キリシタン関連。
 法篋印塔に手を交叉した石仏、並んで子供を抱いた石仏などが見受けられました
法篋印塔と石仏群

同上アップ写真、子供を抱いた観音像

同上アップ写真、子供を抱いた地蔵さま

本堂奥、十字の錫杖を持つ石仏

・本堂見学。
 お寺の方にご協力頂き貴重な見学ありがとうございました、帰路は子供さんに大きく手を振って頂きました。
本堂

本堂内

左:お坊さま   右:お薬師さま

天井画と、引き上げ燭台



④道の駅ハピネスふくえ。
 食事前に売店でお土産の閲兵餅(えっぺいもち)を購入、大板山たたら製鉄遺跡インフォメーションセンターで各自たたら製鉄のお勉強、頭が一杯になり食堂で美味しい昼食を腹一杯。

道の駅ハピネスふくえ

・売店。
 和紙の原料の三つ叉(みつまた)が販売中、腹の足しになる閲兵餅を買い求めました。
売店

売店内、三つ叉(みつまた)

売店で購入、閲兵餅

同上、同封の説明文

・大板山たたら製鉄遺構インフォメーションセンター。
 大板山たたら製鉄遺構ボランティアさんが、TVモニター説明の絵巻「先大津阿川村砂鉄洗取之図」展示。大板山産の鉄材を使用した萩藩(長州藩)洋式帆船一番艦、丙辰丸の模型・説明などが展示されています。
展示全景

絵巻「先大津阿川村砂鉄洗取之図」展示

同上、説明文

丙辰丸の摸型、大板山たたら産鉄を使用



⑤上野山八幡宮。
 縁起絵巻を眼の前で観せて頂く、初めての機会で興奮気味、まじかで観ると修復後が歴然です。
2016年2月21日終了、下関市立美術館 「山口の八幡信仰~八幡縁起絵の展開と創造~」 展。
詳しくは。 下関市立美術館 八幡信仰 で検索されると県内九の八幡信仰絵巻が観られます。
上野山八幡宮

・上野山八幡宮縁起絵巻。
 八幡信仰の住吉明神。神功皇后さん、元寇の役など様々の絵画が色鮮やかに残っていました。
縁起絵巻の箱

縁起絵巻、神功皇后が住吉明神に合う

縁起絵巻、住吉明神が牛を海中に投げる

住吉明神が岩の間を矢通し

・八幡様内部など。
 透かし彫りの欄間、絵馬、天井画、陰陽石なども在りました。
上野山八幡宮内部

同上の幡

拝殿手前のお堂、参道は中を通る

同上。内部を自立した柱が囲む、山陰地方特有の型式



⑥仏光寺。
 文殊堂の文殊菩薩騎獅像、金剛力士立像。鎌倉時代の楼門、紫福地頭の見島氏墓など。
仏光寺

・文殊堂の仏像。
 獅の騎乗の文殊菩薩。金剛力士立像は紆余曲折があり、元の持ち主の金谷天満宮から移鎮さて来られました。 
同上、説明板

文殊菩薩騎獅像

金剛力士像立像 阿形

金剛力士像立像立像 吽形

・楼門と文殊堂。
 楼門の基礎には何故か紫福(しぶき)地頭の見島氏の墓石、文殊堂の左に苔蒸した見島氏の立派なお墓がありした。
楼門

文殊堂

同上、天井画

三島(見嶋三郎)氏の墓



⑦福井市(ふくいいち)散策。

・白神鍛冶工場(しらがみ かじこうば)。
 めっきり少なくなった村の鍛冶屋さん、製造販売でガラス棚に使いやすいそうな出刃包丁と鍬。包丁の鍛錬中ですが、コークスは高温で煙が出ない、熱い中で黙々と働いていらっしゃいました。
白神鍛冶工場、石州街道の福井市(ふくいいち)の町並み

鍛冶風景

同上

同上

同上

・願行寺(がんぎょうじ)。
 木喰上人(もくじき しょうにん)は1797年12月11日から、あくるとしの2月15日までお寺に滞在され三体の仏像を彫られました、その内一体は珍しい立木仏です。木喰仏は民芸運動の柳宗悦氏には見いだされ、山口県では五十体を数えます。
願行寺さま大変お世話になりました、お土産のお菓子まで頂き感謝々々です。
木喰仏・如意輪観世音菩薩坐像後背

木喰仏の由緒書

左:如意輪観世音菩薩坐像  右:阿弥陀如来立像

同上

立木薬師如来像



◎その他の情報。
 お世話になったマイクロバス「福栄」、旧福栄村時代から大事に使われ私達を快適に運んでくれました。萩市役所前の改修中の旧明倫小学校校舎、昨年お盆の一般公開が観納めになりました。
マイクロバス福栄

改修中の旧明倫小学校校舎



屋根角のシンボル、紫尾(しび)は何処に行ったのでしょうか
 



 

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